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らぶりん本、ヤな予感的中 

江戸の「御曹司」たち(染五郎さんや勘太郎さん、海老蔵さんなど)や他媒体での活躍が歌舞伎での人気に反映しているシドーさんは勢いよく写真集や本出してますが、そんな中で異彩を放ってるのが愛之助さんの本。役者さんとしては「これから頑張って~」状態なのに"評伝"って…と思いながらも、ついAmazonが500円クーポンくれたので差額分払って買っちゃいました。

歌舞伎修業--片岡愛之助の青春歌舞伎修業--片岡愛之助の青春
松島 まり乃

日本放送出版協会 2002-07
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サクラも散ってしまう嵐のようなお天気だったのでまた~り読みましたが、続けて口直しの本を読む必要がありました(ちなみに格調高く戸板康二先生の「歌舞伎の話」)…orz 子役や女形だったころの写真、顔をつくるときの連続写真などの「お宝画像」、あと挿入されている歌舞伎用語の解説以外は、ちょっとまじでカンベンって思ってしまった……。シクシク。以下ネタバレw
この本、読み終わったときの感想は、イケてない愛之助さんの私服写真を見て「うわっちゃー」って思ったときのととてもよく似てました。文体も構成も、全体として致命的にイタイ。これは著者のせいで愛之助さんのせいじゃないのが気の毒といえば気の毒なんだけど…。

ま、何を期待しとったんや、君は…って話になるのですけどw

正直、書き出しからどん引きです。

通っていた小学校に著者が愛之助さんと2人で行って、そこから子役時代だった昔を振り返ってもらうんだけど、公立小学校を形容するのに「4階建ての威容」?

この部分が象徴的で、全篇必要以上に大げさで、語り口がワイドショーのレポーターみたい。BGMまで聞こえてきそう……。著者の愛之助さんへの思い入れが強すぎるのか、こういう冗長で大げさな文体が持ち味なのか、この1本だけでは判断できないのだけれど。

「ネ?ねっ?愛之助さんってスゴイでしょ?」って行間からきぃきぃと著者の声が聴こえてくるような気がして、何度も途中で本を置きました…。読み終わったらマジで消耗してしまいました。確かにドラマティックな人生送ってる人で、そういう意味では冒頭書いた御曹司の人よりおもしろい面が多々あるのは事実なんだけど「感動しる!」って押しつけられると、こっちは引きますよ。

せっかく妹さんとか進之介さんとか、これからもたぶんあんまり読めることのない人にも取材してるのに、もったいない。

コメント

rukoさん、こんばんは。
「うわっちゃー」でしたか(笑)
「4階立ての威容」には私も読んだ時に笑っちゃいました。
>文体も構成も、全体として致命的にイタイ。
確かに。思い入れの強すぎる女性が書くとこうなっちゃうんでしょうね。
なんだか、「土方さん命」な女性作家が書く新選組本にも通ずるイタサがあるような・・・
とは言うものの私の場合、愛之助さんを全く知らない時に、どんな人なのかを知りたくて最初に読んだのがこの本だったのですが、書きぶりの大げささは置いといて(笑)、どういう生い立ちなのか、なぜ歌舞伎の道に進んだのか等、愛之助さんの半生が1冊でコンパクトにまとまっていて、参考になりました。

icewine5さん、こんばんは。
>>「土方さん命」な女性作家が書く新選組本にも通ずるイタサが
ほほ~…。土方さんは好きですが中くらいにしか好きじゃないのでwほとんどそういう本には手をつけてませんでした。興味深いです。
私自身が例えばアイドルに萌えてる男の人のブログなんかはほとんど読まないから単純に「女性は」って書くとよくないですが、歌舞伎に限らず熱狂的な女性ファンはどうしても「あばたもえくぼ」的になるだけでなく、ブログなどでも周囲に同意を求めようとする傾向があるような気がします…。
私の場合はこの本を読む前にネットや新聞のアーカイブなどでかなり情報を仕入れた後だったので、目新しい感じがほとんどなかったのもイタさを増幅させたのかもしれません。
あまり憶測になるようなことを書いちゃいけないですが、新聞のインタビューになっているような生い立ち部分をより細かく書いて「これで間違いない」ってアピールしてるような…。
愛之助さんの生い立ちでいうと去年のNHK「日本の伝統芸能」の歌舞伎入門にもかなり詳しく書かれているんですが、そのへんから逸脱する内容が皆無、っていうかこの本からもってきたんだ?みたいなところもありw
立役になってからの愛之助さんしか見ていないので、女形の写真などは「ほ~、ごっついな、おい」と思いながら見てました。やっぱり歌舞伎チャンネル入ろうかな。

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