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「日本はなぜ敗れるのか」 

組織の一員であり続けることに強い疑問と不信を感じながら働いているとき友人に勧められた山本七平さんの本。私のいる場所ではいまだ「空気」が意思決定の支配力を持っているので読んでいてものすごくイタかった。

最近こんな本が書店に平積みになっていたのでつい買って読んでしまいました。非常に興味深いです。

日本はなぜ敗れるのか-敗因21ヵ条日本はなぜ敗れるのか-敗因21ヵ条
山本 七平

角川書店 2004-03
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山本七平さんご本人はフィリピンでの壮絶な従軍経験を踏み台として「空気の研究」や「私の中の日本軍」を書いていますが、自分の従軍経験をリアルタイムで書き残していた別の著書をひもとき「日本の敗因」について分析する、という手法をとっています。30年前に書かれたものですが「構造改革」なんていうのは口だけで、日本は何も変わっていないなぁ、と思わされました。

以下もうちょっと続けます。

山本さんが比較、というか検証していったのはこの本です。

虜人日記虜人日記
小松 真一

筑摩書房 2004-11-11
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物資が圧倒的になかった捕虜収容所時代も書き続け、帰国にあたって没収されるのを恐れて骨壺に入れて持ち帰ったという、記憶をたどって書いたものではなくリアルタイムの「日記」で、ここから小松氏は「日本の敗因21カ条」をあげていました。

詳しくは山本さんの本を読んでいただくとして、改めて私が感じたのはあの戦争でどれだけの人が無駄に死んでいったのか、ということでした。広島や長崎の原爆、沖縄の地上戦に巻き込まれて殺された一般市民だけでなく、兵士として死んでいった人たちのその「無駄死に」ぶりを、どう理解したらいいのか、本当にわからない。

先日読んだ帝国ホテルの総料理長だった故村上信夫さんの「私の履歴書」でも、帝国ホテルの厨房から出征した13人のコックのうち、生還したのは村上さん含め3人だけだった、とありました。

山本さんの本では、戦場であるフィリピンに制海権も制空権もないなか、劣悪な輸送船で運ばれ、米軍による魚雷攻撃で数知れぬ兵士たちが船もろともあっという間に沈んでいった「バシー海峡」について詳述されています。

21カ条のうち、今の日本にそのまま当てはめることができるのではないかと考えられる項目をいくつかあげておきます。

その3.日本の不合理性
その10.反省力なき事
その11.個人としての修養をしていない事
その13.ひとりよがりで同情心がない事
その19.日本人は人命を粗末にした

その10. 反省力のないことは、例えばバブルで多くの企業が失敗したけれど、そのツケはリストラという形で高度成長期を支えたサラリーマンたちが支払い、採用削減で過剰労働が増えていること、といったことにも当てはめることができるでしょう。

また、隣人であるアジア諸国とぎくしゃくした関係が続いていることも、少なくとも怒っている国は「日本は反省が足りていない」と感じているわけで、謝ったからいいじゃないか、お金も払ってるんだから、では片付けるべき問題ではないと感じます。

その11と13については最近見られるモラルの崩壊が端的にあらわしていると思います。この本のなかでは戦地でのあまりにむごすぎる弱肉強食ぶり(飢えた兵士による人肉食のことなども書かれています)、捕虜収容所内での無秩序、あるいは暴力団的な組織の成立などが紹介されていました。

10年前の阪神大震災では、隣人どうしが助けあい、コミュニティの大切さなどに注目が集まりましたが、あれから10年。特に私の住む首都圏は相当ギスギスしていると感じます。

朝の満員電車の中での些細なことからのケンカ、自分の乗りたいドアから乗れなかったといって捨て台詞を吐く人、伝統芸能を鑑賞にきて気持ちがゆったりしているかと思えば、ちょっと人がぶつかったからといって、急いでいたその人の肩をつかんでゆすって謝罪を強要する人などなど、先日「日本沈没」のときに書いたような天変地異や災害が起こったら、何かが崩壊するのではないか、という懸念は捨てられません。

個人としてはこういう社会でどう生きてゆくのがよいのか、とても考えさせられます。

コメント

ホントにどうしたら。

優さん、こんばんは。

ふだんはアメリカにいらっしゃる優さんだからこそ、今の日本の異様さをまた違った角度からご覧になれるのかも……。私はそれでも危機感をもっているほう、と分類できると思いますが、何せ無力です。

インターネットには膨大な情報が埋もれていますが、相手の主張を一方的に匿名でよってたかって黙らせるような巨大掲示板での「晒し」「炎上」といったことばがおもしろおかしく語られていたりもしますし、そうした一部の場所で交わされている歴史認識などをうっかり少し読んだりするともう、どうしようかと思ったりもします。

この10年くらい日々、横浜から多摩川を渡って通勤していますが、景観が激変しました。それは高層のマンションなどではなく、川端にひしめくように建つブルーシートに覆われたホームレスの住処です。「ワーキングプア」の番組は見損ねてしまいましたが、日々このブルーシートを目に焼き付けながら生活していると、日本は一体何がどうよくなったのかと小一時間問いつめたい……みたいな感じ。

今はまだ辛うじて言論統制や思想弾圧といった方向には歯止めがかかっていますが、それが壊れたら、私はもうこの国には住めないので、どこで暮らすべきなのかかなり真剣に考えていたりします。

本来、アジアなんだと思うのですがこれだけ対アジア関係がこじれていることを考えるとあまり得策ではない気もしますし、じゃ、日本以上に格差社会でWe(The Americans) are Number One!!教徒のアメリカに今からか?とかとか、けっこう眠れぬ夜が続いていますね。

追伸への返信:お、優さんもファースト世代~。私はたぶんその頃アメリカにいたので乗り遅れてしまったのだと思われます(汗)。セイラさん(キッカとハロ)も、マ・クベももういないんだな~、と、すっかりおやじになったのにアムロの戦闘服のコスプレをして「いきま~す!」とアムロ声で叫ぶ古谷徹さんに思わず…orz となりながら溜め息をついております。

かなりやばい。。。

ruko様、体調はいかがですか?
私も先週は連日深夜残業で、今日も本当は出かける予定でしたが、1日寝て曜日にしました。
今日は、関東地方で停電があったそうですが、大丈夫でしたか?
私もちょうど3年前の夏に起こった東海岸の大停電を思い出しました。
ちょうど帰宅ラッシュの時間にあたり、地下鉄は止まるわ、暑いわで大変でした。

「日本はなぜ敗れるのか」とても興味深いエントリでした。いろいろと考えさせられます。

>広島や長崎の原爆、沖縄の地上戦に巻き込まれて殺された一般市民だけでなく、兵士として死んでいった人たちのその「無駄死に」ぶりを、どう理解したらいいのか、本当にわからない。

まさに、まさに、まさに!です。
よく「無駄死になんて言うな」という人達がいます。国のために立派に死んだ、というのなら、私はその人に、ではあなたは、自分の預金も財産も全て、財政破綻で死にかけている日本の国のために捧げられますか?あなたにそれが出来ますか?と問いたい。
今度の首相になる予定のAさんは、
「日本の歴史の総括など必要ない」と「言い切った」と知り、驚愕しました。(文藝春秋8月号)
例えば医者が患者を診るときに、こじれた重症患者に対峙した時なら特に、
その人の既往、つまりこれまでどんな病気になったか、どんな薬がダメか、どういう経緯で現在の状態になったかを把握しない限り、適切な対応など絶対に出来ないでしょう。
日本の首相になる人が、日本がどういう歴史を経て今日あるのか、今抱えている問題は、いつから発症してきたのか、そういう総括を「必要ない」というなんて、本当におかしいです。まして、日本の現状はかなり重症ですよ。それなのに、そんな程度の首相を選んでしまうという構造も全くわからない。

先日、NHKスペシャルという番組で「ワーキングプア」ということばを初めて知りました。
私が日本にいた頃はまだ「負け組」「勝ち組」なんていう言葉もなかったし、考えてみると、小泉政権になってから、日本は急速にまずい方向になっていると、実感しています。
日本中がピリピリ、ギスギスしている。争いを避けたいという何となくの「空気感」が、人々を諦めることに導き、夢も希望もなくし、その日食べられればいい、という風になっている若者が多いとか、、、。誰も主張しない、主張できない社会。「空気」が全てを決めていく。

近隣アジア諸国に対して「たくさん謝った」「たくさん金も払った」とか、神社の問題も「内政干渉だ」とか、感情的になっている場合ではなく、事態は相当深刻で、日本自身が歴史を総括し、反省をせずに、このまま現状に対応していったら、本当にこの国は破滅します。これからどんな社会になっていくのか、恐ろしいくらいです。さくら苑の老人虐待のテープなども聞きましたが、こんなにも人々の心に余裕がない、そして体力もない、感情的になりやすい社会がこの先どうなっていくのか、本当に恐ろしいし、自分が日本で何が出来るか、真剣に考えてしまいます。

日本だけでなく、テロもあって飛行機の移動が面倒くさくなりました。
世界はどうなっていくのかな、真面目に考えると暗くなってしまいますね。

最後に一言、、、
鈴置さんのご冥福を祈ります。
筆箱にシャアのシールを貼っていた@ファースト・ガンダム世代の優より
世の中は、変わっていく、、、たくさんの水が橋の下を流れた、、、、、(遠い目)。

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