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不都合な真実 An Inconvenient Truth  

〈2006年 米制作 96分 おすすめ度★★★★★〉
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地球温暖化については「京都議定書」をすったもんだの末に策定した底冷えのする京都の現場になんでだかいる羽目になりました。もう10年近く前の話なんですけど…とちょっと遠い目になりましたが、そこで聞いた話がそのまま、いや、実はもっと速い速度で進んでいる現実。これをゴア元副大統領が豊富なデータをもとに話して聞かせていく講演をドキュメンタリーとしてまとめたものです。

不都合な真実不都合な真実
アル・ゴア 枝廣 淳子

ランダムハウス講談社 2007-01-06
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→本にしたら絶対小難しくなってるから、映画で観たほうが安いし、分かりやすいはず(汗)!

「地球温暖化」ってヤバいんだよね、でも何が具体的にどうヤバいのかよくわからない、って思ってる人も、自分はある程度温暖化について理解していて、エコな生活を送ってると思ってる人も、もう一度復習/認識するために観にゆくことを強くおススメします。

以下ネタバレも含めた感想です。
10年前の京都。私はゴアさんを遠目にチラリと目撃しました。副大統領の公務のかたわらちょっと京都にやってきた、って感じで、おぉ、テレビで見るよりまた一段とデカくてかっこええわぁ、って思った程度だったんですけど……。

皆さんもご承知のようにゴアさんは一度ブッシュに勝って大統領になりながら、フロリダ州の投票結果が覆ってホワイトハウスを目の前に退くことになった人です。この映画を観終わると、もしゴアが大統領になってたら2007年の世界はどう違っていたのかな、と思いを馳せることもできる映画です。

温暖化の問題については、基本的にこの講演は京都議定書の批准を拒否し続け、走っている国産車の燃費の基準は中国産の車より今や低く、そして世界の1/3のCO2に代表される温室効果ガスを排出しているアメリカの国民を動かすのが主な目的としてつくられた作品です。

よく、環境問題を政治問題にすると「経済と両立しない」ということを指摘する人たちがいたりしますが、そういう「温暖化を信じない人々」が訴えていることをゴアさんは粘り強く、ひとつひとつ崩していきます。

例えば

ホンダ、北米で販売好調 4~12月期は過去最高益(1/31日、asahi.com

こういう現実があるわけだけど、ちょっと前にトヨタが北米での販売のトップ3に食い込んだこともニュースになっていました。要するに、消費者は燃費のいい車を買うようになっている、だからアメリカの排出基準に合わせた(=燃費が悪い)国産のフォードやGMの車は売れないのだ、と。

だから、環境に優しいことが必ずしも経済にブレーキをかけることにはならない、と。

このほか、そうだよね、そうだよね…と心にストンと落ちることの連続でした。

とにかく、恐ろしかったのは冒頭書いた通り、加速度的に現在進んでいる実際の温暖化の現状です。

いま、北極海では溺死したシロクマが見つかっているそうです。それは、氷や陸地を離れて泳ぎだしたはいいが、泳いでも泳いでも次の氷にたどり着けず、休むことができなくて最後に溺れ死んだと推測されているのだとか。

学生時代の地理で学んだ中央アジアで最大級の湖だったはずのアラル海、あるいはアフリカのチャド湖がもうほとんど干上がってしまっていること。氷河の後退、永久凍土が解けたり、それから北極と南極の氷の融解などなど、見ていけばいくほど戦慄します。

ゴアさんが警鐘を鳴らしているのは、手をこまぬいていると気候の変化が急激に訪れ、手遅れになってしまう可能性がある、という点でした。だから今すぐはじめよう、と。

科学的で難しい話に、巧みにゴアさんは自分の個人史を挟んでいます。息子が6歳のときに交通事故で生死の境をさまよい、自分にとっての優先順位は何かを考えたこと。父親は上院議員を務めるかたわら農家を営んでいて、そこではタバコも栽培していた。そして、ゴアさんのお姉さんは10代から煙草を吸い始めて肺ガンで亡くなったことなどなど。

それぞれの「事実」が、温暖化から目を背けたり、知ろうとしない人たちを少しでも動かせれば、と思ってのことなのだと感じました。

正直、00年の大統領選のあとゴアさんは何をしていたんだろう、と、9.11やその後のアメリカのおかしなあり方について折りに触れて思い出すことはあったのですが、見る人が見れば徒労にも思える温暖化についての理解を求める講演を1000回以上も全世界で続けてきた、と聞き、その強さに脱帽しました。

「否定から絶望へと飛躍してはいけない」

ということばがありました。アメリカ政府はまだ京都議定書の批准すらできておらず、温室効果ガスの排出量は野放し状態ですが、そんなアメリカ国内でも州単位、あるいは自治体単位で取り組みを進めるところが増えていることが紹介されます。

今するはじめれば、まだ間に合う。止めることができる。だから、行動を起こそう。

そんな風に終わる映画で、ちょっとだけほっとしました。

ぜひぜひ、観にいってください。そして、もし私のレビューを読んで観に行ってくれたらトラックバックをお願いします!

【追記】TBさせていただきました。
映画「不都合な真実」 (月夜に晩酌)

コメント

8 years' loss

優さんこんにちは。観ましたよ~。公開を待ちかねて。

折しもIPCCが気候変動が予想以上の速さで進んでいることをパリで発表したばかり。歴史で「ればたら」は禁句といえど、ゴアが大統領になって、政権は共和党が握ってるとはいえ環境シフトした政策にアメリカが転換していたらどうだったかな、っていうのにはすごく興味があります。

首都圏もここ数日は昼間はコート着て歩いたら暑いと感じてしまうくらいのお天気が続き、ついにスギ花粉も飛散し始めました。氷河の後退は景観の変化だけでなく水資源も奪う、など、温暖化がもたらすさまざまな政治的な問題なども含め、とにかくこの映画は少しでも環境問題を真剣に考えている人間は必見かなと思いました。

アメリカが京都議定書を批准しても、実際にアクションが起きなければ何も変わらないんですよね、ほんとのとこ…。

Strongly agree with him

rukoさん、こんにちは。
見ましたか!本当に私はこの人に大統領になってもらいたかった。
今年の東海岸は、先週くらいからいつもの冬っぽくなったんだけれど、
生暖かい日が続いていて、早々ガーデニングを始めちゃう人もいたりして、
さすがにここまで温かいのは気持ち悪かったです。
本当に何とかして欲しい。もう、ほんっーーーとに!(いろんな面で!!)

優@ちょっとサボり中・汗

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