fc2ブログ

自動車産業不要論 官僚たちの夏〈1〉 

城山三郎の原作も読んでるし、96年にNHKが中村敦夫を風越役でつくったドラマも観てるはずなんだけどなんとなく中村敦夫のイメージのみが先行して中身はもうひとつ覚えてなかった「官僚たちの夏」。あわてて本棚から文庫本取り出して半分くらい読んだところでOAとなりました。

なにしろ制作は「華麗なる一族」で昭和の神戸を上海ロケと超いい加減なCGでめためたにしたTBS、最近いろんな意味で青息吐息なので、期待しないで観ることにしましたが。

頑張ってました。イイ感じに男祭りだし、次回以降も観ます!

官僚たちの夏」はTBS系で日曜21:00~放送。

官僚たちの夏 (新潮文庫)官僚たちの夏 (新潮文庫)
城山 三郎

新潮社 1980-11
売り上げランキング : 107
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


FC2ブログでの人気ドラマレビューをチェック!

初回のきょうは、登場人物の紹介が中心でありつつも「国民車構想」に走る自動車課長の風越信吾(佐藤浩市)がやがて次官争いにも重要なポストである秘書課長に昇進、自分と志を同じくする「サムライ」たちをまとめてゆくという展開。

自動車産業が日本経済を牽引してきたことは現在の私たちからすれば常識だけど、終戦からまだ10年、道路の舗装率が5%!という時代にあっては自動車産業の積極的な育成には否定的な意見も多かったという当時の話は衝撃的でした。

そんななかでも風越たちの熱意にほだされる形で「アケボノ自動車」が通産省の打ち出した基準に合う自動車をつくろうと悪戦苦闘し、やっと「らしい」車が完成するものの社長(蟹江敬三)は過労死?で死んでしまう。

「国民車」(=大衆車)という項目を検索するとWikipediaに上手にまとめられた項目があり、これを読むとアケボノ自動車はなんとなくスバル(富士重工業)?ともとれましたが、スバルの「スバル・360」は国民車構想とはまた別のところでつくられた車のようなので…

ただ、悩む社長がちらっと見る昔の写真が飛行機をバックに撮影した集合写真だったので、やっぱり?とかちょっと考えてしまいました。あんまりそこを掘るとスポンサーさんであるトヨタとの関係上うまくないという判断だったかもしれないけど、戦前の日本の航空機産業は世界に誇れる最先端産業だったわけだし、だからこそ今度は自動車でアメリカと勝負したい!というところがもうちょっと出てたらよかったかな~なんて思ってしまいました。

心血を注いでつくり、時速100kmを達成したと喜ぶ日本人たちを前にその車を「おもちゃ」と言い放つアメリカ人の傲慢さには…………。

試運転のときに娘婿が車から放り出されてけがをしたのに青筋たてて怒ってた社長の妻(市毛良枝)が社長が死んじゃってどんだけ取り乱すのかと思っていたら、社長の日記が出てきてしんみりしちゃうっていう展開は意外でした。

佐藤浩市の風越は予想してたよりずっとスマートな印象。原作では強烈にあくが強いのでw 「人事カード」出してほしかったな~。趣味が人間っていう風越さんのキャラはちょっと薄めのようで。

風越とタッグを組む鮎川(高橋克実)と庭野(堺雅人)はそれぞれ手堅かったです。原作では庭野さんは頭がうすい設定なので、逆に髪の毛もしゃもしゃの堺雅人の微妙にいまっぽい髪型には違和感がなくもないですが…

堺雅人はちょとふっくらしましたか?髪型とあいまってときどき田中哲司に見えちゃったんですけど。

風越と同期でワシントン駐在となる玉木に船越英一郎。2時間ドラマはまったく観ない派なので演技する船越さんって久々観たんですけど滑舌がお父さんそっくりなんですねw 同じく国際派で日本人の働き過ぎに昭和30年時点で批判的、そんなスマートさが微妙に風越の覚えを悪くしてしまう片山は高橋克典。学校を2回も飛び級して入省したエースっていう設定なんだけどあまり切れ者に見えないのが残念かも。

洗濯機や電気炊飯器などの家電製品が一般家庭に入ってきたり、電気が足りなくて停電しちゃったりする様子をリアルに描いていたことや昭和30年当時の銀座(数寄屋橋)をCGで表現するなど「華麗なる一族」がインチキすぎたのに比べると気合いが入っているのを感じました。

コメント

どうですか?

Lady-eさま

あの車がトヨタなのかどうかは私も気になりましたが最初に車体の強度が足りなくて壊れる場面があったので、トヨタはアドバイス程度はしたかもしれないけどそれ以上コミットしてないのかな~と漠然と思ってました。

光岡ってそんなに新しい会社なんだ…。一度富山の本社に行って社長さんにもお目にかかったことありますがユニークな会社だったのが忘れられません。

昭和っぽい

icewine5さんこんばんは!

第2回の放送が終わってちょっとトーンダウンしておりますw 「華麗なる」に比べれば昭和っぽさは圧倒的にこっちに軍配があがりますね。

原作とはだいぶ違ってオリジナルストーリーを軸に頑張るつもりのようですので、icewine5さんの感想もまた聞かせて下さい。

この感じだと佐藤vs船越、堺vs克典で争いも本格化するっぽいですね。鍵を握るのは欣也さんで。

堺さんのもしゃ髪は慣れてきました。おっしゃる通りあまり身なりにこだわらない仕事一途な感じがよく出ているような。

ちわぁ

rukoさん こんばんわ
ちと古くて はぅって感じではあったんだけど
私も、佐藤さん出てるし見る予定です

アケボノのテスト車は、共同開発車なんでない?
でも、協賛がトヨタだからトヨタ風が強く入ってるのかもね
あの破壊してしまった車の形を見てると
光岡を思い出してしまったんですけど
でも、光岡はオリンピック後に出来た会社だから違うね

rukoさん、こんばんは。

このドラマはきっとrukoさん、ご覧になるだろうなあと思って、レビューを拝見するのを楽しみにしていました。

出演者や時代が微妙に「華麗なる一族」とかぶっているのと、同じTBS日曜夜9時ということでどうしても比較しちゃいますが、「華麗~」でTBSも学習したんですかね(笑)
私もこっちの方が昭和っぽい感じがしました。

最近、ほとんど連続ドラマを見ていなかったのですが、これはタイトルと出演者が気になって視聴してみることにしました。
城山三郎の原作を読んだことがないので、結末も知らないし、人間関係もまだ把握できてないのですが、全く白紙の状態で見るのもいいかなと思ってます。

今後、ドロドロの出世競争とか政治家絡みの派閥争いとか出てきたりするのかしら?私としてはそれが結構楽しみなんですが(笑)

> 庭野さんは頭がうすい設定
えっ、そうなんですか(笑)。例の鉄平さんほど違和感はない気がしました。
堺さんのもしゃもしゃ髪は、仕事一途で髪型に全く無頓着な若手官僚という設定ですかね。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://rukolog2.blog60.fc2.com/tb.php/2670-b9c49bda