▼ カサカサ 坂の上の雲〈3〉
国家鳴動
ふー今日も展開速かったでしたね~。オリジナルのエピソードもバンバン入れつつ、重要な登場人物も次々出てきて、硬軟取り混ぜていろいろ入っていたので満足の90分でした。ですがですがですが。
伊藤博文(加藤剛)と東郷平八郎(渡哲也)がカサカサすぎやしませんかね(汗 個人的には、渡哲也は大河「秀吉」のときの織田信長ですらおじいさんすぎる!と思ってしまったので点が辛いかもしれませぬが、加藤さんの枯れた雰囲気はちょっと伊藤博文とは違う気が…。
→おー、Blu-rayが出るのですね。5話で18000円が安いか高いかうーん、うーん………
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日本は一歩一歩日清戦争へと近づきつつあり、真之(本木雅弘)、好古(阿部寛)、子規(香川照之)もそれぞれ人生の歩みを速めてゆきます。やはり、死の病である結核を発病してしまったのぼさん(=子規)の痛々しさとそれを周囲に見せまいとする明るさが秀逸。
特に、療養のために松山に帰省して、玄関先でカラ元気を注入して家に入っていく芝居がクサイんだけど、これがまた切なくて。そんなのぼさんを満面の笑みで迎えるお母さん(原田美枝子)がまた素敵で。
そんなのぼさんの周囲には、学生時代からの同級生の金之助(=夏目漱石=小澤征悦)やら、陸羯南(くが・かつなん=佐野史郎)やら、のぼさんのことを思う人たちが集まっています。人徳だなぁ。金之助がこれからは小説だといい、明らかに
「吾輩は猫である」を思わせるような作品を書くと宣言し、のぼさんに「お前の考えることは軽すぎる」とぶった斬られる場面はちょっとやりすぎかなぁと思いましたが。
一方淳さん。兵学校の真っ白な制服が似合い、少年たちのあこがれであるというのに、例の「お囲い池」でのエピソードNHKさん張り切りすぎで笑ってしまいました。予告や番宣でお囲い池の段があるのは知ってたけど、池の場面をあんなにやるとはねwww
お父さんの八十九(やそく)こと久敬さん(伊東四朗)との道後温泉でのほっこりなシーンのあとあっさりお父さんはお亡くなりに。あんな飄々としたお父さんからなぜあんな兄弟が!という感じでしょうか。
淳さんは淳さんで少尉候補生なのに清の北洋艦隊の旗艦でもある「定遠」を部下?の水兵さんと探検します。アヘンを吸ってるように見える清の水兵たちのマターリぶりを目の当たりにする東郷さんも含め、清とは緊張関係にあるわけで、いくらなんでもそんなにカンタンに軍艦のなかにフリーパスで入れちゃうのかぁ?
丁提督の人物の大きさを表現するためだろうとは思いつつも、やっぱりちょっと違和感ありますね。
物語の本筋はいよいよ日清戦争開戦へと動いていきますが、川上操六(國村隼)が陸奥宗光(大杉漣)と相談して、伊藤博文が考えているよりも大きな兵力を朝鮮に送っちゃおうと決めるところ。こんな昔から統帥権を便利にお使いだったわけですか陸軍さんは……orz って見えちゃう。
維新の元勲として明治政界のトップに君臨している伊藤博文が
「今でも高杉(晋作)さんに叱られる夢を見る」
というのはふっと日本が通ってきた道を振り返らせるような感じがあってよかった!
信兄さんは多美さん(松たか子)と結婚しました。陸大の同級生たちが映ったのでくるよくるよと思っていたらきましたね
「全滅!」
ちょっと心のなかでマイブームなんですけど。
それはいいんだけど、お母さんの貞さん(竹下景子)がどうやって多美さんを見初めたかって多美さんが松山に旅行してたからさ!は信兄さんじゃなくてもエエエエ(゚Д゚)エエエエだったりする…。
そしてそんな多美さん、日清戦争に出征してゆく信兄さんに
「生きて帰ってきてください!」
って旗本の娘がそりゃないんじゃないの、いくらなんでも…。野沢尚をもってしても、こういうヌルい表現しなくちゃならないんですかねえ…。
「戦争→人がたくさん死ぬ→イクナイ!」
的な思考が一般化するのってやっぱり第二次大戦で300万人死んでからのことで、それまでは
「戦争→お国のため→(本心はどうあろうと)せいいっぱい行ってきて下さい」
だったんじゃないの?そうじゃなかったら日清→日露→第一次→第二次 と次々に戦争をやっていった日本という国が成り立たないんじゃないかと思うし、基本思想がそんな感じだからこそ、与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」がセンセーショナルな話題になったんじゃないかと思うんだけど…。
どうも「利家とまつ」あたりから、戦国時代で四の五の言ってたら自分が殺されちゃう時代にもかかわらず戦はイヤとかドラマの中で公言することが美しいと勘違いする傾向が強まってきた気がするんだけど、とりあえず、そういうことを言い出すのはほとんど間違いなく「(夫を戦争で失うかもしれない)妻」っていうのに違和感感じますね。
まぁことしのニセ大河ドラマの主人公のように侍のくせに人を斬れないとか言ってビービー泣いたりする奴が出てくる時代ですからアレですが、NHKは
「坂の上の雲を映像化することが戦争の美化ととられてはいけない」
のこの部分にセンシティブになりすぎの気がする。上のカッコ内の台詞は「土曜スタジオパーク」に出てきた本木雅弘ですらそんな風に言っちゃってるわけで…。
もちろんあしも戦争は嫌です。けれど、ドラマの中にこういうパーツを埋め込まなくても、きちんと描くべきポイントを描けば、戦争がどういうもので、そこには悲しみも痛みもいっぱいあることは伝わると思うんですけどね。
となんか文句垂れてますが今夜も堪能しました。次回の予告の映像を見て、去年ことしと2年連続スタジオ撮りでショボショボ大河だった理由がわかりました。海も陸もたいへんなことになってます!
おまけ。原作ではさらりとロシアのニコライ2世が日本を嫌う理由だったとして描かれてただけの「大津事件」が映像化されてました。そこで、犯人に斬られるニコライ皇太子に駆け寄る男の人が「ニッキィ!」って呼びかけてて、その声がどこかで聞いたことがあるので録画を巻き戻して観たら
「ハゲタカ」・ホライズンインベストメントのアランに似てる!忘れないでチェックしようとエンドロールで確認しました。本人でした。「ジョージ王子」。ニコライに随伴していたギリシャの第二王子だそうで。あははは。
ふー今日も展開速かったでしたね~。オリジナルのエピソードもバンバン入れつつ、重要な登場人物も次々出てきて、硬軟取り混ぜていろいろ入っていたので満足の90分でした。ですがですがですが。
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特に、療養のために松山に帰省して、玄関先でカラ元気を注入して家に入っていく芝居がクサイんだけど、これがまた切なくて。そんなのぼさんを満面の笑みで迎えるお母さん(原田美枝子)がまた素敵で。
そんなのぼさんの周囲には、学生時代からの同級生の金之助(=夏目漱石=小澤征悦)やら、陸羯南(くが・かつなん=佐野史郎)やら、のぼさんのことを思う人たちが集まっています。人徳だなぁ。金之助がこれからは小説だといい、明らかに
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一方淳さん。兵学校の真っ白な制服が似合い、少年たちのあこがれであるというのに、例の「お囲い池」でのエピソードNHKさん張り切りすぎで笑ってしまいました。予告や番宣でお囲い池の段があるのは知ってたけど、池の場面をあんなにやるとはねwww
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って旗本の娘がそりゃないんじゃないの、いくらなんでも…。野沢尚をもってしても、こういうヌルい表現しなくちゃならないんですかねえ…。
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的な思考が一般化するのってやっぱり第二次大戦で300万人死んでからのことで、それまでは
「戦争→お国のため→(本心はどうあろうと)せいいっぱい行ってきて下さい」
だったんじゃないの?そうじゃなかったら日清→日露→第一次→第二次 と次々に戦争をやっていった日本という国が成り立たないんじゃないかと思うし、基本思想がそんな感じだからこそ、与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」がセンセーショナルな話題になったんじゃないかと思うんだけど…。
どうも「利家とまつ」あたりから、戦国時代で四の五の言ってたら自分が殺されちゃう時代にもかかわらず戦はイヤとかドラマの中で公言することが美しいと勘違いする傾向が強まってきた気がするんだけど、とりあえず、そういうことを言い出すのはほとんど間違いなく「(夫を戦争で失うかもしれない)妻」っていうのに違和感感じますね。
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「ハゲタカ」・ホライズンインベストメントのアランに似てる!忘れないでチェックしようとエンドロールで確認しました。本人でした。「ジョージ王子」。ニコライに随伴していたギリシャの第二王子だそうで。あははは。
- [2009/12/13 23:31]
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