▼ 実はコメディだったのか! 大河ドラマ「徳川慶喜」
細切れだった1979年放送の「草燃える」が時代劇専門チャンネルで放送されるなど、大河ドラマのソフト化はだいぶ進んできましたが、1996年放送の「秀吉」と並んでなぜか総集編のDVDすら存在しないのが1998年放送の「徳川慶喜」でした。
当時を思い出すとけっこう公私ともに忙しかったことと、キャスト諸々に違和感を感じたためだと思いますがスタート当初は観ていたけどわりと早い段階で脱落していたことだけ覚えていました。
それが今回時代劇専門チャンネルで初登場だったため録画して観てるのですが、ここ数年の劣化した大河を観ているとこれすらおもしろくてたまらないのです!
原作は視聴率NGの太鼓判を押されている司馬遼太郎の
例によって司馬さんのこの作品は文庫にしてもうっすくさらさらっと読めちゃう作品のため、大河制作にあたっては
徳川慶喜に家臣として仕えたことがある明治の実業家、渋沢栄一の著書も使っているとのことです。
観始めて脱落した理由がわかりました。
1.堺正章の新門辰五郎って微妙じゃね?
2.ナレーションを兼ねてる大原麗子もまた微妙
→今観ると案外かわいく感じてしまうw
3.辰五郎の娘、よしの清水美砂が面倒くさい
4.なんでダチョウ倶楽部がレギュラー?
→辰五郎の手下の火消しとして10話くらい出てました。
5.鶴田真由が徳川慶喜(本木雅弘)の一橋家の義母
→「サトラレ」あたりで克服しましたが当時苦手だった。
6.正室の石田ひかりがうっとうしい
7.水野真紀のメンヘルぶりも面倒くさい
8.道化?として配置されてる藤岡琢也の浪人がマジウザ
ざっとこんな感じでした…とはいえ、慶喜の実兄で水戸徳川家の当主、慶篤が内野聖陽。慶喜の小姓から側仕えになっていろいろやらかしちゃう侍役に藤木直人が出ています。もちろんがつっと月代剃ってますよw
脚本を書いているのは「武田信玄」や「信長」を書いた田向正健さんなんですが、とにかくほんのり可笑しいんですよ。滑稽といえばよいのかな。幕末で安政の大獄に巻き込まれて水戸も一橋家もたいへんだというのに。そしてそのコミックリリーフを担当してるのが
1.岸田今日子の松島
→慶喜の乳母でずっとそば近く仕えている。考えてみると「武田信玄」の八重(小川真由美)を陽性にしたタイプ。わんわん泣いたりたたりを怖がってみたり、すぐ転んだり。体当たりの演技、なのにおかしい。素晴らしいです!
2.佐藤慶の永原
→水戸家で徳川斉昭(菅原文太)の正室、吉子(若尾文子)に仕える侍。独身で特に趣味もないようですぐ居眠りするようなやる気のないキャラと会社(水戸家)では見せておきながらエロ専門の人情本の戯作者として町方では名の通った男だった。
岸田さんも大原さんも、そして佐藤さんもこの数年で他界してしまわれたのでそのせいもあるのだと思いますが大まじめにいろいろやってるのがもういちいちおかしくてたまらないのです。
物語は水戸の烈公の七男として産まれた慶喜が一橋家に養子にゆき、将軍候補として父と島津斉彬が推すものの井伊直弼(杉良太郎)が大老となり、安政の大獄の嵐が吹き荒れてとばっちりを喰らった形で隠居謹慎を命じられ、桜田門外の変が起こって井伊は殺されたものの頼りにしていた斉昭も死んでしまう…
っていうところまで進んできました。幕閣の会議の様子が多いこともあって淡々と物語は進み、史実だけ追ってくと無理ってことで挿入されているのが藤木直人演じる村田新三郎のサイドストーリーなんだけどもうこれがね、観るに耐えないんですわ…これはしょうがない。
慶喜は一橋家に行きながら親が将軍継嗣に自分を使おうとしているのにイライラしてしょっちゅう浅草にある新門辰五郎のところへ遊びにゆくんですが供として常に同行していた新三郎は街で出会った旗本の妾のみよ(一色紗英)と恋に落ち、その旗本を斬り殺してしまう。
ふたりを気の毒に思った辰五郎は妻のれん(大原麗子)の実家がある神奈川の生麦宿に落ち延びさせますが、新三郎には慶喜の肝いりでめとらせた気位の高い妻、たみ(水野真紀)がいてこいつがリアルメンヘラ。お殿様の前でビービー泣いたりテンション高く殿様を恨んでみたりしたあげく、生麦に新三郎とみよがいることを知ってふたりの間に産まれた娘をかどわかして江戸に連れ帰ってきたりする。で、その子がふつうに一橋家でみんなにかわいがられていたり…
一色紗英のハーフっぽい容貌がもうね、時代劇に全然合ってない。さらに演技はもちろん棒。水野真紀はキモいです。迫真の演技だけどこういうめんどくさい女とかかわり合いたくないw 正室の美賀の石田ひかりも、まぁ義母の7つしか年離れてない直子さん(鶴田真由)と慶喜があやすいことは否定できないけどちょっとおかしくなったりしてきてるので不気味です。
そういえば、原作ではあんまり正室とは仲良くなかったというイメージがあったのですがいまのところラブラブと言ってよいのには違和感がw
藤木直人もそれほど演技がうまくない上に新三郎のキャラが貧乏神そのもの。共に水戸から慶喜の側ちかく務めていた倉石左衛門(佐藤淳)は新三郎が斬った旗本の弟とその取り巻きに捕まって大川に遺体が浮かぶし。
浅草に住んでて何かっちゃ新門辰五郎のとこにちょっかい出しにくる浪人役が藤岡琢也さんなんですけどね、この五郎左衛門はんがもう面倒くさい。
松島や永原とちょっと違って明確に配置されたコミックリリーフのはずなんだけど、無理矢理入った目張りで年齢不肖になってるけど貧乏設定で着物がなかったりして見えるからだがもちろんおじいさんで怖いw そしてすぐ
「~やったらちゅっちゅくちゅーやで!」
とか謎の言葉を吐くのがいちいち面倒くさいんですわ。
と、オリキャラの処理には成功と失敗があいまじった感じですが近年のニセ大河ウソ大河スイーツ大河と違うのはやはりそれなりの考証をしていることで、話そのものにはいまのところ破綻はないんですね。退屈だけどw そして慶喜を演じてる本木雅弘もそつない感じなので安心して観ていられます。
とりあえずいま注目してるのが、新三郎が駆け落ちしていなくなり、左衛門が大川に浮かび、慶喜に思いやりの心もあったらしい一橋家の家老(小野武彦)が死んでしまい、慶喜の側近としてのお仕事を一気に引き受けることになった中根長十郎(信太昌之)さん。
浦賀に黒船が来たと聞いて慶喜に命じられて黒船を見に行っていたころは「拙者、絵だけには誰にも負けません」とか佐久間象山に言い返してたりしてたノンポリだったのに…(笑 ドラマではあまり慶喜と年が変わらないように描かれてますが本物の中根さんはもっと年をとった方のようですね。攘夷派に暗殺されちゃうみたいなので悲しいですが、中根さんもそこはかとなくおもしろいキャラなので、そういうのを観ながらのんびり楽しもうと思います。
ちなみにどうやら
島津久光=江守徹
松平春嶽=林隆三
勝海舟=坂東八十助(現:三津五郎)
和宮=小橋めぐみ
天璋院=深津絵里
西郷隆盛=渡辺徹 ←w
あと、田辺誠一が藤田東湖の息子として出てくるらしいのでちょっと中盤以降楽しみです。
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例によって司馬さんのこの作品は文庫にしてもうっすくさらさらっと読めちゃう作品のため、大河制作にあたっては
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徳川慶喜に家臣として仕えたことがある明治の実業家、渋沢栄一の著書も使っているとのことです。
観始めて脱落した理由がわかりました。
1.堺正章の新門辰五郎って微妙じゃね?
2.ナレーションを兼ねてる大原麗子もまた微妙
→今観ると案外かわいく感じてしまうw
3.辰五郎の娘、よしの清水美砂が面倒くさい
4.なんでダチョウ倶楽部がレギュラー?
→辰五郎の手下の火消しとして10話くらい出てました。
5.鶴田真由が徳川慶喜(本木雅弘)の一橋家の義母
→「サトラレ」あたりで克服しましたが当時苦手だった。
6.正室の石田ひかりがうっとうしい
7.水野真紀のメンヘルぶりも面倒くさい
8.道化?として配置されてる藤岡琢也の浪人がマジウザ
ざっとこんな感じでした…とはいえ、慶喜の実兄で水戸徳川家の当主、慶篤が内野聖陽。慶喜の小姓から側仕えになっていろいろやらかしちゃう侍役に藤木直人が出ています。もちろんがつっと月代剃ってますよw
脚本を書いているのは「武田信玄」や「信長」を書いた田向正健さんなんですが、とにかくほんのり可笑しいんですよ。滑稽といえばよいのかな。幕末で安政の大獄に巻き込まれて水戸も一橋家もたいへんだというのに。そしてそのコミックリリーフを担当してるのが
1.岸田今日子の松島
→慶喜の乳母でずっとそば近く仕えている。考えてみると「武田信玄」の八重(小川真由美)を陽性にしたタイプ。わんわん泣いたりたたりを怖がってみたり、すぐ転んだり。体当たりの演技、なのにおかしい。素晴らしいです!
2.佐藤慶の永原
→水戸家で徳川斉昭(菅原文太)の正室、吉子(若尾文子)に仕える侍。独身で特に趣味もないようですぐ居眠りするようなやる気のないキャラと会社(水戸家)では見せておきながらエロ専門の人情本の戯作者として町方では名の通った男だった。
岸田さんも大原さんも、そして佐藤さんもこの数年で他界してしまわれたのでそのせいもあるのだと思いますが大まじめにいろいろやってるのがもういちいちおかしくてたまらないのです。
物語は水戸の烈公の七男として産まれた慶喜が一橋家に養子にゆき、将軍候補として父と島津斉彬が推すものの井伊直弼(杉良太郎)が大老となり、安政の大獄の嵐が吹き荒れてとばっちりを喰らった形で隠居謹慎を命じられ、桜田門外の変が起こって井伊は殺されたものの頼りにしていた斉昭も死んでしまう…
っていうところまで進んできました。幕閣の会議の様子が多いこともあって淡々と物語は進み、史実だけ追ってくと無理ってことで挿入されているのが藤木直人演じる村田新三郎のサイドストーリーなんだけどもうこれがね、観るに耐えないんですわ…これはしょうがない。
慶喜は一橋家に行きながら親が将軍継嗣に自分を使おうとしているのにイライラしてしょっちゅう浅草にある新門辰五郎のところへ遊びにゆくんですが供として常に同行していた新三郎は街で出会った旗本の妾のみよ(一色紗英)と恋に落ち、その旗本を斬り殺してしまう。
ふたりを気の毒に思った辰五郎は妻のれん(大原麗子)の実家がある神奈川の生麦宿に落ち延びさせますが、新三郎には慶喜の肝いりでめとらせた気位の高い妻、たみ(水野真紀)がいてこいつがリアルメンヘラ。お殿様の前でビービー泣いたりテンション高く殿様を恨んでみたりしたあげく、生麦に新三郎とみよがいることを知ってふたりの間に産まれた娘をかどわかして江戸に連れ帰ってきたりする。で、その子がふつうに一橋家でみんなにかわいがられていたり…
一色紗英のハーフっぽい容貌がもうね、時代劇に全然合ってない。さらに演技はもちろん棒。水野真紀はキモいです。迫真の演技だけどこういうめんどくさい女とかかわり合いたくないw 正室の美賀の石田ひかりも、まぁ義母の7つしか年離れてない直子さん(鶴田真由)と慶喜があやすいことは否定できないけどちょっとおかしくなったりしてきてるので不気味です。
そういえば、原作ではあんまり正室とは仲良くなかったというイメージがあったのですがいまのところラブラブと言ってよいのには違和感がw
藤木直人もそれほど演技がうまくない上に新三郎のキャラが貧乏神そのもの。共に水戸から慶喜の側ちかく務めていた倉石左衛門(佐藤淳)は新三郎が斬った旗本の弟とその取り巻きに捕まって大川に遺体が浮かぶし。
浅草に住んでて何かっちゃ新門辰五郎のとこにちょっかい出しにくる浪人役が藤岡琢也さんなんですけどね、この五郎左衛門はんがもう面倒くさい。
松島や永原とちょっと違って明確に配置されたコミックリリーフのはずなんだけど、無理矢理入った目張りで年齢不肖になってるけど貧乏設定で着物がなかったりして見えるからだがもちろんおじいさんで怖いw そしてすぐ
「~やったらちゅっちゅくちゅーやで!」
とか謎の言葉を吐くのがいちいち面倒くさいんですわ。
と、オリキャラの処理には成功と失敗があいまじった感じですが近年のニセ大河ウソ大河スイーツ大河と違うのはやはりそれなりの考証をしていることで、話そのものにはいまのところ破綻はないんですね。退屈だけどw そして慶喜を演じてる本木雅弘もそつない感じなので安心して観ていられます。
とりあえずいま注目してるのが、新三郎が駆け落ちしていなくなり、左衛門が大川に浮かび、慶喜に思いやりの心もあったらしい一橋家の家老(小野武彦)が死んでしまい、慶喜の側近としてのお仕事を一気に引き受けることになった中根長十郎(信太昌之)さん。
浦賀に黒船が来たと聞いて慶喜に命じられて黒船を見に行っていたころは「拙者、絵だけには誰にも負けません」とか佐久間象山に言い返してたりしてたノンポリだったのに…(笑 ドラマではあまり慶喜と年が変わらないように描かれてますが本物の中根さんはもっと年をとった方のようですね。攘夷派に暗殺されちゃうみたいなので悲しいですが、中根さんもそこはかとなくおもしろいキャラなので、そういうのを観ながらのんびり楽しもうと思います。
ちなみにどうやら
島津久光=江守徹
松平春嶽=林隆三
勝海舟=坂東八十助(現:三津五郎)
和宮=小橋めぐみ
天璋院=深津絵里
西郷隆盛=渡辺徹 ←w
あと、田辺誠一が藤田東湖の息子として出てくるらしいのでちょっと中盤以降楽しみです。
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- [2010/12/20 23:58]
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