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終わっちゃった… 「徳川慶喜」〈41~49話〉 

正直、初心者向きの大河ドラマではないことは明白で私もいろいろネットで検索して知識を補いながらの視聴でしたががたいへん面白かったです。わずか10年ちょっと前にはこのレベルの大河ドラマが放送されていたことを考えるとことしの「ラノベ大河」のことなどを考えると日本人の退行が進んでるような気がして改めてガッカリしました。

徳川慶喜―将軍家の明治維新 (中公新書)徳川慶喜―将軍家の明治維新 (中公新書)
松浦 玲

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気になってこんな本買ってみました。それくらいおもしろかったってことで。

本筋の話はかなり難解だったです。とはいえケイキさんにはもう幕府が組織として手術してもすでに手遅れになってしまっていることが見えており、いかに出血量を減らして政権を委譲するかといういまでいうなら緩和ケアに注力していたという視点が興味深かったです。

司馬さんの原作にはそういう思想的なものはあったか再読してみないと正直思い出せない…

会津/桑名の兄弟とのやり取りの積み重ねがあったので鳥羽伏見の戦いが基本的にその2藩の暴発であり(会津の方達はそういう描き方は納得してないと思うけど)それをケイキさんが抑えられなかったという落としどころ、そこに続いて負けたことに納得がゆかず次の戦を薩長とやりたいと言い募る幕臣たちをおさえるために大坂城を捨てて江戸に船で撤収したという流れも納得ゆくものでした。

それにしても、登場人物がたくさんいたから役者さんたちの手当てがつかなかったのかもしれないけどものすごく出番が多かった主席老中の板倉勝静や松平容保(会津)、松平定敬(桑名)といったキャラクターがいま軽くググってもほとんど情報が拾えない役者さんにキャスティングされているのが意外すぎる。

同じ脚本家がつくった「武田信玄」ではもっとキャラ的には地味な武田家の家臣たちもそれなりに華のある名の通った役者さんたちの布陣だったことを思うと狙いがよくわからなかったりw

ケイキさんにいろんなことを教える西周(にし・あまね)が小日向文世だったことくらい?

大政奉還になった後の天璋院の描き方も超納得できました。深津絵里は毅然とした天璋院で、自分が薩摩出身であることはこの際関係なくあくまでも徳川の人間であるというスタンスがはっきりしていて静寛院宮(=和宮=小橋めぐみ)とのやりとりもくっきりしていました。

男くさい大河ではあったけれど、水戸で頑張り続けた貞芳院(若尾文子)、一橋家の徳信院直子(鶴田真由)、そしてれん(大原麗子)と「女丈夫」たちも魅力的でした。身分の高い公家出身の女性たちの知的水準や政治力が実際にどれほどのものだったのか史実はどうだったのかわからないけれど、家長としての貞芳院さまと直子さんがいなかったらたいへんだったろうなぁってしみじみ思わされました。

失敗だったのはよし(清水美砂)のキャラクターだった。武田信玄でいうなら里美(大地真央)のキャラにしたかったはずだと思うんだけど。

言葉遣いや所作が伝法で松島(岸田今日子)が発狂するレベルだったとしても、粋というかもっとかっこよく見せることはできたはずで、キャスティングが失敗だったのが大きいと思います。あれじゃただの下品な町娘だよね。

最後新門に何事もなく戻ってきたところもエー!だったし。

死んじゃったかどうか気になっていた恋思川永春こと永原(佐藤慶)がなぜか?右腕が麻痺しただけで元気だったのにびっくり。心臓の近くに弾が当たってるなら左側じゃね?とかいろいろ考えてしまいましたが最後まで貞芳院さまに

「これでもうその右手で淫らなものを書かなくて済むではないか」

とかツッコまれてて爆笑してしまいました。

そんなわけでラノベ大河の予告編見せられるだけでうんざりな日々ですが楽しい大河タイムが過ごせた冬でよかった。次の大河は何がきてくれるか楽しみです。21世紀に入ってつくられた大河(特に利家とまつとか功名が辻とかギャルい大河)がこなければまた時代劇専門チャンネルをがっつり観ることでしょう。

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