スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

モダニズムvs.ベラボー+パリ TAROの塔〈2〉 

青春のパリ

連ドラは焼け野原になっていたクールでしたがこんな「ベラボー」なドラマをリアルタイムに観ることができて興奮しているのは「クライマーズ・ハイ」以来かも…今回も歪みない出来で素晴らしかったです。

「TAROの塔」はNHK総合で土曜2100から。BS-hiでは金曜日1850から先行放送。なお、3月いっぱいでチャンネルがBS-2と統合されてBSプレミアムになるBS-hiでは28日から31日まで4話を毎日1話ずつ再放送する予定のようです。
http://www.nhk.or.jp/drama/sp_bshi/0328.html

ドラマ「TAROの塔」オリジナルサウンドトラックの画像 NHK土曜ドラマ「TAROの塔」

蓜島邦明のサウンドトラックも秀逸。iTunesでダウンロードできます。曲ごとのDLも可能でした。

FC2ブログでの人気ドラマレビューをチェック!

今回は成長した太郎(濱田岳)がパリで生活し、自分の芸術を見つけようと苦闘する様子と、万博のテーマプロデューサーとして現地の設計を引き受けた丹下健三(小日向文世)と対決してゆく1967年の太郎(松尾スズキ)がいったりきたりしながら描かれました。

初回に張られた川と死のイメージの伏線、そしてもちろんベラボーすぎるお母さんのかの子(寺島しのぶ)の支配からの卒業と別れなど滅茶苦茶に濃い50分でした。台詞もすべて磨きに磨いたという感じで印象的なものが多く感動してしまいました。

芸術新潮 2011年 03月号 [雑誌]芸術新潮 2011年 03月号 [雑誌]

新潮社 2011-02-25
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



それにしても「TAROの塔」をリアルタイムで胸熱で観てる視聴者層は「江」は観てないかそのていたらくに腹を立ててる視聴者たちだと思うのでエンディングのすぐ後に予告編挿入するのはマジでテロなんでやめてほしいです!

以下ダラダラ畳んで書きますね。

父の一平(田辺誠一)が新聞社派遣で欧州駐在となってかの子(寺島しのぶ)と共に渡欧した太郎(濱田岳)。一平の知己でパリ在住の画家(手塚とおるや野間口徹など)と知り合いますが、すでにパリ生活をする画家も珍しくなくなりつつあった時代であり、画家たちは日本人どうしでかたまり日本食を食べて共同生活を送ってました。

せっかく海外に留学したのに日本人どうしで集まって生活していて語学の習得がちっともはかどらない現代と何も変わらないですね(汗 それに当然のようにnon!を唱える太郎さんはもちろん日本人たちからはダメ出しされます。

フランス語を喋れるようになった太郎だけれど、かの子が期待するような絵画的な才能では壁にぶつかり悩み苦しんでいます。太郎と離れ一平とロンドンで暮らしていたかの子と久しぶりに再会するとそこからかの子たちが帰国するまでの会話が凄すぎた。

それにしてもさ、一平さんのロンドンへの派遣理由、いま出発前の新聞画像のアップみて知ったんだけどロンドン軍縮会議の「漫画全権」だったようです。早く言ってよw ていうか当時の朝日新聞はそういう茶目っけはあったわけだwww

===以下ドラマより引用===

かの子「お前はもうすっかりパリジャンのようだね」
太郎「お母さんはすっかりピエロのようですね」
かの子「ピエロ?」
太郎「お母さんは昔から無邪気で寂しい人でしたから」

かの子「2,3年であなたの絵がどうにかなるとでも?」
太郎「……」
かの子「太郎、そんな覚悟では描きたい絵など見つかるわけないわよ。フランス語を覚えたのはあなたがここの土地の人間になるためじゃないの。ここで生きる人間になって、ここで生きる苦しみや喜びを描けなければ、誰の心も打てやしないわよ」
太郎「フランス人になんかなれるわけないんです。あいつらはおどけている僕を見て近づいてはくれる。でも中には入れてくれません。そう、この土地の人間は排他的なんです」
かの子「それはあなたの絵に魅力がないからよ。私だって、本当にわかりあえる人とは作品を通してでしか出会えなかったわ」
太郎「僕には最初から才能なんてないんです。あなたとは違う!ほら、この絵も、この絵も。あなたの息子こんな絵しか描けない。これが現実だ。誰がこんな絵評価する。誰が認めるもんか」
かの子「太郎。あなたには才能がある。それは、私があげたんだから」
太郎「あなたから何ももらってない!もらったのは孤独だけだ」
かの子「それを持ってない人間のほうがよっぽど悲劇だわ。太郎、お前の絵を最初に認めるのは、お前しかないんだよ。人の評価に自分を委ねてはダメ。太郎、不遇を恐れてはいけないわ。孤独を恐れては、本当にほしいものに手が届かない。あなたの迷っていることはよくわかる。お前の苦しみがわかればわかるほど、私だって苦しい。だけどあなたはやっぱり、絵描きになりなさい。ほかの自分に絶望して、絵に専念なさい!」

===ドラマより引用ここまで===

凄すぎる。帰国を前にした一平と太郎の会話も驚いた。

===以下ドラマより引用===
一平「とりあえず、達者でな。太郎氏はこの国で行きて行く覚悟をしたんだろ」
太郎「はい」
一平「金のことなら心配するな。必要だと思ったことは、なんでもやれ」
太郎「はい」

太郎「お母さん、お父さん。僕わかったんです。僕たちは、別れて初めて親子になれる。それを実感できると。お父さん、お母さんが小説を書けるようにこれからはお父さんが支えていってあげてください。今までお父さんはお母さんを食べてきました。だから今度は、お母さんがお父さんを食べる番です」
一平「わかった。そうしよう、約束するよ。お母さんのそばにはいつだって私がいる。安心しなさい」

===ドラマより引用ここまで===

なんと壮絶な親子でしょう。

そして、テーマプロデューサーを引き受けた大阪万博。前回のラストで太陽の塔の原型は太郎さんの中にできた。丹下健三の事務所に行って基本構想を知った上で、丹下自慢の巨大な構造物「大屋根」をぶち抜いて塔を建てる案を提案します。

丹下健三の小日向文世がまた凄かった。太郎さんとの関係性はあまり描かれないのでなぜ初回で万博の事務局にプロデューサーとして太郎さんを推薦したのかはモヤったままでしたが、太郎さんが奇想天外なことをしてくることは当然予想していて、万博会場のジオラマを見てかの子さん譲り?の無邪気なヨロコビを見せる太郎さんを前に顔は笑ってるけど目が笑ってない丹下さん。

太郎さんに探りの電話を入れて自分は接触しようとせず、部下たちを太郎さんのアトリエに派遣して何を考えているのか偵察にいかせる丹下さん。

派遣された弟子たちを迎える敏子さんと太郎さんのウェルカムぶりにまた噴いた。近所の子たちが自由にアトリエの入口で遊んでいる描写も素敵だったなぁ。その子どもたちが長じてどうなっているかはわからないけれど、なんと楽しい子ども時代の想い出になっていることかと想像しただけで楽しくなります。

そしてそこで使われたお面がまたフラッシュバックで生きてくるところが凄いわ。

太陽の塔の原型モデルはなんと石膏?の本体の顔部分にアルマイトのお鍋のふたがついてましたwww

偵察の結果つくった?2つ穴ボタンが顔についたミニチュア版の塔に笑顔でダメを出した丹下さんでしたが太郎さんの本気にさすがに笑顔でいられず怒ってしまうのですが、太郎さんの説得がまた筋が通っている。

太郎さんのスゴイところはぶっとんだ人でベラボーだけどものすごく理知的で論理的な一面もお持ちだというところなんですね。

丹下「ここは会場の入口だ。メインゲートから続く広場だよ太郎さん!そこにこんなバカでかいもの置いてどうするんだ」
太郎「壊すんじゃない。調和だよ。君のモダニズムと僕のベラボーがぶつかりあうことで、お互いが生きてくるんだ。引き裂かれる力が強ければ強いほど、逆にお互いが強く輝くんだ」

万博のテーマが「人類の進歩と調和」であり、テーマなんてくそくらえと言っていた太郎さんの口から調和のことばが漏れて事実上ぐうの音も出ない丹下さん。

一方、太郎さんのアトリエを訪問したときには

「驚いたけど感動はしていません!」

と突っぱねてしまった若手設計者の倉田(近藤公園)ですが、実際に太郎さんが提案してきた大屋根ぶち破り案と、太陽の塔のフォルムに吸い寄せられてしまいます。

そして深夜、オフィスの職員たちの足下に置かれているごみ箱を漁る丹下さんこわいいいい。

大屋根を破って太陽の塔を配置する設計案の図面を考えて描きかけた倉田の下絵を見つけます。

===以下ドラマより引用===
倉田「先生、すみません。勝手に描きました」
丹下「なぜ描いた」
倉田「先生、こうなったら言ってしまいますが、あの大屋根には何か足りないと思っていました。構造体としては素晴らしいですが、祭りの会場としてはなんだか、遊びに欠けるというか…この塔の模型だけ見た時はあまり感心しませんでしたが、この大屋根と合わせたときにはモノをつくる人間の本能を刺激されたというか、心が躍りました」
丹下「それではなぜ、捨てた。最後まで、完成させなさい。私がごみ箱を漁るのは、君たちが捨てたものの中に大いなる可能性が埋まっているかもしれないからだ。それに気づけなくなるようであれば、私自身に可能性がないということだ」
倉田「すいませんでした。先生、ありがとうございます」

===ドラマより引用ここまで===

なんか泣きそうでした。晩年に手がけた東京都庁舎は姿を現したときかなり賛否両論あったように記憶しているから特に。けれど、その後の太郎さんとの電話の丹下さんの言葉にまたやられた。

「太郎さん、私はこれまで、芸術という者は建築の中にしか存在し得ないと思ってきたんだよ。正直に言えば、建築家が芸術家を喰うものだと思ってきた。それが、食い破られるとは思わなかったよ。言っとくが太郎さん、あの大屋根にあんな大きな穴をあけるというのは、構造上とても危険なことなんだよ。だから、太郎さんじゃなきゃだめだったんだ」

すでに東京カテドラル聖マリア大聖堂や東京オリンピックの代々木第一体育館で世界的な名声を獲得して建築家としての頂点をきわめたと言ってよい状態でありながらあくまでも貪欲であり、かつ柔軟性を残し、自分に足りないものは正直に認められるって凡人にはできないことです。

太郎さんの「危険」さの中に自分に足りないもの、発想の転換ができる何かがあると嗅覚が働いたんでしょうね。それが電話での太郎さんの最後のことば

「やっぱり食われたのは俺だろう」

につながってもうゾクゾクしてしまいました。

そして

ピカソ (ニューベーシックアートシリーズ) (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)ピカソ (ニューベーシックアートシリーズ) (タッシェン・ニューベーシックアートシリーズ)
インゴ・F.ヴァルター

タッシェン・ジャパン 2001-09-12
売り上げランキング : 95242

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


青春ピカソ (新潮文庫)青春ピカソ (新潮文庫)
岡本 太郎

新潮社 2000-06
売り上げランキング : 2948

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ピカソの絵からインスピレーションを受けて芸術の方向性を見いだし、思想家のバタイユと知己を得るなどしてパリでの創作に打ち込めるようになった太郎さんの元に、かの子さんが亡くなったことを伝える電報が届くのでした。

かの子さんがパリの太郎さんの自宅で話したことばが元になってのイメージなのかな?と思うのですが、真っ赤なバラの花に埋もれて埋葬されるかの子さんと慟哭する一平さんの映像がとても美しかった。

かの子さんについてはやはり、ドラマで取材協力のクレジットが出ている瀬戸内寂聴の

かの子撩乱 (講談社文庫 せ 1-1)かの子撩乱 (講談社文庫 せ 1-1)
瀬戸内 晴美

講談社 1974-12
売り上げランキング : 1410

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



これちょっと気になりますよねやはり。

太郎さんがかの子さんの死を知ってセーヌに飛び込むのは本当かなあ。セーヌは流れも速いしこの前何かの番組でセーヌ専門の河川警察みたいなのの特集やってましたが冬場の水温は4度とかで、着衣水泳にはむかなさそうなんだけどw セーヌの向こうにのぼる太陽と太郎さんとセーヌの映像がCGだったのはよーくわかっちゃったけどね。

本当に今回もあっという間の50分でした。次回は太郎さんの戦争体験そして敏子さん(常盤貴子)との関係が描かれるのですね。

正直いってドラマが始まるまでは岡本太郎にそれほど興味ありませんでした。先週の第1話冒頭で出てきたツノつき梵鐘を叩くCM、もちろん有名な「芸術は、爆発だ!」のフレーズは知っていましたがCM自体にまったく記憶がなく調べたところ1981年のmaxcellのCMだったようです。当時日本で生活していなかったので記憶にないのも当たり前でした。

このドラマを通して猛烈にもっと岡本太郎とその時代のことを知りたくなりました。現在、太陽の塔のある万博公園では「太陽の塔 黄金の顔展」を4月10日まで開催中。

公式サイトは日本万国博覧会記念機構のサイト内です。行ってみたい!

神戸に住んでいたころ一度だけ万博記念公園には遊びに行ったことがありました。1970年には産まれてましたがw 幸か不幸か万博の記憶はないのでセンチメンタリズムはありません。東京生まれということもあり初めて太陽の塔の背中にはもうひとつの太陽が描かれていてそれが黒々としていて、すでに20代でしたがなんとも恐ろしいと感じた記憶が鮮烈に残っています。

岡本太郎に関しては「ほぼ日刊イトイ新聞」が2003年に現在渋谷マークシティで見ることができる「明日の神話」が見つかったのを記念して?岡本太郎特集をやってます。ほぼ日さんらしく敏子さんとの対談なども含め細かく手厚いです。

なんだ、これは!(ほぼ日刊イトイ新聞)

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://rukolog2.blog60.fc2.com/tb.php/2762-abca0140

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。